第1回 : 今回の深掘りテーマ「ペーパーアイテム」
ウエディングに欠かせないフラワーや写真、映像などのアイテムや演出の数々。それぞれの特徴や魅力を理解し、お客さまにいかに提案するかはプランナーの腕次第です。そこで結婚式を彩るさまざまな要素に注目し、その価値を有賀明美さんが深掘り解説! アイテムや演出から結婚式の価値を再認識し、打ち合わせや各パートナーとの連携に役立ててみてください。
「わざわざ招待状を送らなくてもメールで連絡してはいけませんか?」「メニュー表や席次表って本当に必要ですか?」といった新郎新婦からの質問に、しどろもどろになってしまいました。ペーパーアイテムの価値を上手に伝える方法を教えてください。(ウエディングプランナー/ホテル・27 歳)
「ペーパーアイテムは結婚式には必要なものだ」といった固定観念はもはや通用しないのが今の時代です。「それが常識」と説き伏せるのではなく、「結婚式にぜひ来てもらいたい」「こだわりの料理を堪能してほしい」「ゲスト同士で親交を深めてもらいたい」といった思いを込められるのもペーパーアイテムの価値だと伝えてみてはいかがでしょうか。
詳しく教えて!
「ゲストに事前に送る”招待状”なら」
招待状選びから結婚式の準備が本格化していきますよね。早速、「どのデザインにしましょうか?」と招待状のファイルを新郎新婦に向けてテーブルに並べているあなた。ちょっと待って! ロマンティックやモダン、スタイリッシュなどデザインの豊富さをアピールしたところで、招待状の本当の価値は伝わってはいません。ペーパーアイテムの一番のメリットは、デザインや内容に「ふたりの思いを乗せることができる」という点です。
上質な紙を使い、宛名は筆耕に頼むなど礼儀正しさを感じる招待状であれば「格式のあるきちんとした結婚式が行なわれるのだな」と気付いてもらえる。ユニークなデザインでドレスコードなどが記され、ふたりのこだわりが垣間見えるものであれば「楽しそうな結婚式!」とワクワクさせることができる。直筆のメッセージが添えられていれば「心のこもった結婚式になるんだろうな」と温かみを感じてもらえる。誰に、どんな思いになってほしくて送るのか。まずはそれを考えることが大切ですね。
最初にゲストの手元に届く招待状だからこそ、おふたりの大切にしたい思いを印象的にゲストに伝えることができる。招待状を手にしたゲストがふたりらしさと「おもてなしの気持ち」を感じれば、きっとゲストも結婚式という日が楽しみになる。招待状にはそんな効果があるということをぜひ伝えてみてください。
「当日渡す“席次表・メニュー表・席札”なら…」
当日用意するペーパーアイテムには、本来の役割に加えて、空間コーディネートの一部としてより華やかに、おしゃれに空間を演出してくれるメリットもありますね。お花では表現できない色や柄をペーパーで表現することで、デザインの幅も広げられます。
「ペーパーアイテムは招待状からすべて同じデザインのシリーズで統一するべきでしょうか?」という質問もよく受けるのですが、私の中での回答は「必ずしもおそろいでなくても大丈夫」。例えば、招待状はゲストに届く季節にマッチした色味やデザインに。そして当日のペーパーアイテムは、パーティーコンセプトやゲスト層、装飾のテイストに合わせたものにと、変えてもよいと思います。
また、それぞれのアイテムがどこに置かれて、どんな印象を与えるかをイメージすることも大切です。メニュー表や席札であればテーブルクロスやお皿、装花の色やデザインとマッチするもの。席次表だったら待ち合いのホワイエや席で広げて見やすく、その空間にマッチするもの。ゲストの年齢層や関係性に合わせて内容も工夫してもよいでしょう。ゲストが目にするそのシチュエーションに合ったデザインをぜひ提案してみてはいかがでしょうか。
もし、コストカットを希望される新郎新婦であれば、席次表の代わりにエスコートカードと席次ボードにするのも一案。プチギフトにゲストの名前を貼り、席札としてテーブルに置くことで送賓時は握手やハグタイムにすることを提案するのもいいと思います。
<今回のポイント>
Case Study
[Good Case]
[Bad Case]
有賀 明美(Akemi Ariga)
1977年生まれ。フェリス女学院大学卒業後、(株)テイクアンドギヴ・ニーズに入社。「結婚式にサプライズ」という新しい概念を作り出した「オリジナルウェディング」の先駆者で業界のカリスマ的存在。これまで数多くの芸能人、著名人を含む 1000組以上の国内外のウエディングを監修・担当。業界外でも秋元康氏やおちまさと氏とのコラボレーションによる商品開発にも携わる。2014年に自身も結婚し、出産を経験。少子化や未婚率の上昇、晩婚化の現状を受け、「結婚」そのものや「夫婦・家族」の在り方についての啓発活動もスタート。幅広い分野に活躍の場を広げている。
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