教えて有賀さん!結婚式の価値の深め方 Vol.03-花- | ウエディングジョブ求人情報

第3回 : 今回の深掘りテーマ「花」

ウエディングに欠かせないフラワーや写真、映像などのアイテムや演出の数々。それぞれの特徴や魅力を理解し、お客さまにいかに提案するかはプランナーの腕次第です。そこで結婚式を彩るさまざまな要素に注目し、その価値を有賀明美さんが深掘り解説! アイテムや演出から結婚式の価値を再認識し、打ち合わせや各パートナーとの連携に役立ててみてください。

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「特に豪華にしたいわけではないし、そもそもお金をかけてお花を飾るその価値が分からない。新郎新婦にそう言われてしまいました。私自身、花を飾るのが当たり前と思っていたのであらためて聞かれると返答に困ってしまい…。装花の価値はどのように伝えたらよいでしょうか」(ウエディングプランナー/結婚式場・25歳)

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装花は単なる飾りではなく、“自分たちらしさ”や“大切に思っていること”を表現するための手段。まずはこうした装花の役割を明確に伝えてはいかがでしょうか。また、ゲストへの感謝の気持ちやウエディングのテーマ、コンセプトを、言葉で伝える前に視覚で訴えかけられるのも装花のメリットです。ゲストの期待感を高めてくれる大切なアイテムだと伝えればその必要性はきっと分かってもらえると思います。

詳しく教えて!

「装花の打ち合わせを楽しんでもらうためには?」

「好きな花は?」「好みの色は?」「予算は?」。こうした質問も確かに装花を決める上では押さえておくべきポイントです。けれど、終始、“選ぶ”“決める”だけの打ち合わせではそこに装花の価値を見出すことはできません。特に、「豪華にしようと思っているわけではない」と考えている新郎新婦に対しては、ゲスト目線で話しをすすめていくことが大切です。
まずヒアリングするのはゲストの男女の比率や年齢層、新郎新婦との関係性といったゲスト層について。そうした方たちにどんな気持ちを伝えたいかを聞き、当日、花を使った空間演出やアイテムでふたりの思いを伝えることを着地点にするのです。打ち合わせで新郎新婦とフラワーコーディネーターとで目指す方向性が定まれば、打ち合わせは格段に楽しくなります。その上で、好きな花や色をどうやって取り入れ、予算内で収める方法をプロが提案するのです。そうすれば、“ふたりらしさの表現”が暴走して、ゲスト層とミスマッチになることもありません。
さらに、プロならではのアドバイスがそこに加われば「お花にこだわってよかった!」といった納得感にもつながります。例えば、新郎新婦がメインテーブルに着席している時間が多い進行であれば、ゲストがグループごとに新郎新婦の元へやってきて写真撮影をすることが想定されるのでメインテーブルの背景の装飾を華やかにする。SNS好きな女性ゲストが多い場合はフォトブースを設けるのも一案。プランナーには、多くの新郎新婦のウエディングを経験したからこそできるアドバイスが求められているのではないでしょうか。

「装花をより素敵にするための連携とは?」

お花のことに関してはフラワーコーディネーターにお任せ。そんなプランナーも多いのではないでしょうか。けれど、“お任せ”となると、新郎新婦はゲスト層や人数、挙式の時間帯、お色直しの有無などイチから説明をしなくてはなりません。できることなら、お花の打ち合わせ前に決まっていることはプランナーからフラワーコーディネーターに情報共有をしておくのがベター。どんな結婚式をしたいと思っているか。その会場を選んだ理由。こだわっていること。そうしたウエディング全体の根幹を成す部分を伝えることで装花の方向性が定まり、統一感のある空間を作ることができます。
逆に、プランナーからおふたりに、フラワーコーディネーターが式当日に向けてお花の水揚げ作業など見えない努力をどれほどしているかを話すのもよいだと思います。なぜ結婚式のお花は街場のお花屋さんより高いのか。そもそもの理由を伝えることで納得する新郎新婦は多いものです。
また、本番ではじっくりと花を見ることのできない新郎新婦やフローリストのためにも、こだわりポイントをカメラマンに伝えて写真や映像に残してもらってください。そして、「会場の雰囲気にぴったりでしたよ」「ゲストがみんな写真を撮っていました」など、実際の様子を伝えるなどフィードバックをすることも忘れずに。新郎新婦を中心にフラワーコーディネーターやプランナーなど一緒に結婚式を作り上げた人たちが皆で達成感を味わえることを一つの目標にしてみてはいかがでしょうか。

<今回のポイント>

  • ゲスト目線に立った提案で花の効果をアピール
  • 情報共有することでウエディング全体の統一感を図る
  • こだわりポイントは写真や映像に残す

Case Study

[Good Case]

  • 小さい頃から面倒を見てくれたお祖母さまの席に新婦のブーケと同じ花材で作ったフラワーコサージュを用意。サービススタッフがその旨をお祖母さまに伝え、喜ぶ姿を写真と映像に残す。
  • チャペルの花は両家のお母さまが好きな花を飾り、母親の愛に包まれた空間を作り上げる。
  • 新郎新婦が自宅で育てている花やグリーンを会場装花に取り入れて普段のふたりを空間全体で表現。
  • 生花は手もとに残せない代わりに、装花やブーケのデッサン画を記念にプレゼント。

[Bad Case]

  • 男性比率高めのウエディングにも関わらず装花は新婦好みのピンクがメイン。男性ゲストが居心地の悪さを感じてしまっては、せっかくの新婦のこだわりも台無しに…。
  • 会場の天井高を生かしてメインテーブルの背景は高さを生かした装飾でアレンジ。ところがゲストがメインテーブルに集まって写真を撮ろうとすると、せっかくの装花がフレームアウト。写真のアングルや動線なども意識したアレンジをすることも大切。
  • 前撮り写真と装花でデコレーションしたウエルカムコーナー。受付が終わった後も入口に置かれたままで披露宴中は廊下の片隅にポツンと置き去りに…というケースも少なくない。披露宴中は扉の近くなどトイレに立つゲストが通るような場所に位置を変え、せっかくのデコレーションをなるべく多くの人に見てもらう配慮を。

有賀 明美(Akemi Ariga)

1977年生まれ。フェリス女学院大学卒業後、(株)テイクアンドギヴ・ニーズに入社。「結婚式にサプライズ」という新しい概念を作り出した「オリジナルウェディング」の先駆者で業界のカリスマ的存在。これまで数多くの芸能人、著名人を含む 1000組以上の国内外のウエディングを監修・担当。業界外でも秋元康氏やおちまさと氏とのコラボレーションによる商品開発にも携わる。2014年に自身も結婚し、出産を経験。少子化や未婚率の上昇、晩婚化の現状を受け、「結婚」そのものや「夫婦・家族」の在り方についての啓発活動もスタート。幅広い分野に活躍の場を広げている。